マダニ
注意点:
- 咬傷リスク: マダニは吸血するため、咬まれると皮膚にかゆみや痛みが生じます。また、マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いものは10日間以上)吸血します。咬まれたことに気がつかない場合も多いと言われています。吸血中のマダニに気が付いた際、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりするおそれがあるので、医療機関(皮膚科)で処置(マダニの除去、洗浄など)をしてもらってください。また、マダニに咬まれた後、数週間程度は体調の変化に注意をし、発熱等の症状が認められた場合は医療機関で診察を受けて下さい。(参考:厚生労働省 ダニ媒介感染症 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164495.html )
- 生息地: 草むらや森林、野原などに多く生息しています。特に春から秋にかけて活動が活発です。
感染症:
重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome:SFTS)や日本紅斑熱を含むダニ媒介感染症については、発生する地域の広がりの報告されているそうです。
令和6年3月、国内で初めてとなるSFTSウイルスのヒト-ヒト感染(患者から医療従事者への感染)事例が確認されました。SFTSは、マダニに咬まれてから6日~2週間程度の潜伏期間の後,38度以上の発熱や,消化器症状(食欲低下,嘔気,嘔吐,下痢,腹痛)などの症状がでます。重症化し死亡することもあります。(参考:福岡県 マダニによる感染症に注意しましょう https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/kansen2013021501.html)
対策:
- 服装: 長袖・長ズボンを着用し、ズボンの裾を靴下の中に入れることで、皮膚を露出しないようにします。
- 虫除けスプレー: DEET(ディート)やピカリジンを含む虫除けスプレーを使用することで、マダニの付着を防ぎます。
- チェック: 野外活動後は、全身をよくチェックし、特に頭部、脇の下、股間など、マダニが好む場所を確認します。マダニが付着していた場合は、早めに取り除きましょう。ただし、吸血中のマダニに気が付いた際、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりするおそれがあるので、医療機関での処置が必要です。
蚊媒体感染症
蚊媒介感染症とは、病原体を保有する蚊に刺されることによって起こる感染症のことです。
主な蚊媒介感染症には、ウイルス疾患であるデング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症、日本脳炎、ウエストナイル熱、黄熱、原虫疾患であるマラリアなどがあります。これらの感染症は主に熱帯、亜熱帯地域で流行しています。
(参考 厚生労働省 蚊媒介感染症 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164483.html)
日本においては日本脳炎以外の蚊媒介感染症は海外からの輸入感染症としてみられていますが、デング熱に関しては2014年に国内感染例が報告されました。
これらの危険を防ぐためには、事前の予防と咬まれた後の迅速な対応が重要です。外出時の適切な服装、虫除けスプレーの使用、そして帰宅後の全身チェックが効果的な対策となります。
野外活動中、蚊が多くいる場所で活動する場合は、できるだけ肌を露出せず、虫よけ剤を使用するなど、蚊にさされないよう注意しましょう。
また、日本脳炎は予防接種、マラリアは医師の処方による予防内服が有効です。
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