子どもは大人より脱水症のリスクが高い

子どもは体重に占める水分の割合が高く、子どもは大人より身長が低く、地面からの照り返しによる熱も受けやすいといわれています。体重に対する体表面積(皮膚の全表面積)も大きいため、体重に比べて熱を受ける部分が広く、子どもの体はすぐに熱くなります。その上、熱を外に逃がす体の調節機能も未熟なのです。

脱水症状の原因

  1. 過度の発汗: 野外活動中は、運動や高温環境により大量の発汗が起こることがある。
  2. 不十分な水分補給: 遊びや活動に夢中になると、水分補給を忘れやすくなる。
  3. 高温多湿環境: 暑い日や直射日光の下での活動は、体内の水分を急速に失う。多湿のときも気を付ける。たとえ、雨天で屋内でのスポーツやゲームを行ったとしても、高温多湿の環境で長時間に至らないよう配慮する。
  4. 嘔吐や下痢:嘔吐や下痢などによる過度の水分喪失した場合。

脱水症状の症状(学童期)

  1. 軽度の症状
    • 喉の渇き
    • 乾いた口や舌
    • 皮膚の乾燥
    • 少量の尿、濃い色の尿
  2. 中等度の症状
    • 頭痛
    • めまい
    • 疲労感
    • 目のくぼみ
  3. 重度の症状
    • 急速な呼吸
    • 急速な脈拍
    • 混乱や意識の変容
    • 極度の疲労感
    • 無尿

脱水症状への対応策

  1. 予防策
    • 定期的な水分補給の奨励: 水やスポーツドリンクを定期的に飲むように指導する。
    • 適切な服装を選ぶ: 通気性が良く、軽い服装を選ぶ。
    • 休憩を取る: 定期的な休憩を取り、体を冷やす時間を確保する。日陰も多湿ではあれば改善が見込められないため、車や室内がある環境であればそちらを選択する。
    • 活動時間 調整: 特に暑い時間帯のハイキング、朝や夕方など涼しい時間に活動するよう調整する。
  2. 軽度の脱水症状への対応
    • 水や電解質を含む飲み物を摂取する。
    • 涼しい場所に移動し、休息を取る。
  3. 中等度から重度の脱水症状への対応
    • すぐに活動を中止し、涼しい場所に安静にさせる。
    • 水分補給を継続しながら、必要に応じてスポーツドリンクと経口補水液を与える。
    • 状態が改善されない場合や重症化が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診すること。

まとめ

脱水症状は野外活動中に頻発する問題であり、早期の発見と対応が変化します。子どもたちに水分補給の重要性を伝え、適切な予防策を実施することで、脱水症状を未然に防ぐことができます。

エピソード

キャンプの最終日、その日も猛暑日でした。私は子どもたちが脱水症状にならないよう、特に注意を払っていました。その中でも、小学2年生の涼香ちゃん(仮名)が気になっていました。元気いっぱいの涼香ちゃんは、休憩も忘れて遊び続けることが多いからです。

午前中の活動が終わり、子どもたちが昼食をとる時間になりました。涼香ちゃんは楽しそうに友達と話していましたが、ふと見ると、水筒を重そうにもち上げて飲んでいる姿が目につきました。ほとんど減っていなかったのです。私は涼香ちゃんに「ちゃんとお水飲んでる?」と声をかけました。彼女は「うん、大丈夫!」と笑顔で答えましたが、額には汗がびっしょりで、顔も少し赤くなっていました。

午後の活動が始まる前に、私は全員に塩分チャージの配布をしました。そして「みんな、しっかりお茶を飲んでから出発しようね!」と声をかけました。

涼香ちゃんも友達と一緒に水を飲み始めましたが、一口二口で止めてしまいました。そこで私は「涼香ちゃん、もうちょっと飲もうか」と声をかけました。彼女は少し渋々ながらも、もう少し水を飲んでくれました。子どもは指示されることを嫌がります。様子を見ることにしました。

午後の活動中、涼香ちゃんが少し疲れてきた様子で、私のいるロッジに大学生ボランティアのお姉さんと一緒にやってきました。疲れた様子でしゃがみ込みました。頭痛はないと答え、そのほかのいくつかの質問にもきちんと答えてくれました。お茶を用意していたので涼香ちゃんに差し出しながら、「ここは少し涼しいかな?」と尋ねました。涼香ちゃんは「めっちゃ、涼しい。お茶もおいしい」と言いながらごくごくと飲みました。おかわりしたお茶も飲み干しました。涼香ちゃんは「お茶、足りてなかった」と言いながら、しばらく休んだ後、ほかの子どもたちと合流しました。

私は改めて子どもたちの脱水症状を予防するためには、こまめな観察と適切なタイミングでの声かけが重要だと感じました。特に元気いっぱいの子どもたちは、自分の体調を見逃しがちです。だからと言って、何もかも指示をしてしまっては子どもの気づく機会を奪ってしまいます。

これからも、子どもたちがいろんな経験をしながら、自分の体の異変に気づくことの大切さを学んでもらいたいと思いました。

児玉善子