エピペン®はアナフィラキシーが現れたときに使用し、使用後は、必ず受診します。つまり、エピペン®は症状を維持的に緩和させるための補助治療薬です。エピペン®を使用したので大丈夫と言うものではありません。子どもたちの野外活動スタッフとキャンプナースが連携して、子どもを観察する人、救急車を呼ぶ人、保護者に連絡する人、そのほかの子どもに説明する人など役割を分担して行動に移していきたいですね。

写真の引用:https://www.epipen.jp/download/EPI_guidebook_j.pdf

エピペンの使用手順

  1. アナフィラキシーの症状を確認する
    • 呼吸困難、喘鳴(ぜいめい)、咳、声の変化
    • 蕁麻疹、かゆみ、顔や唇の腫れ
    • 腹痛、吐き気、嘔吐、下痢
    • 意識混濁、めまい、ぐったりしている、活気がない、脈が触れにくい
  2. エピペンを準備する
    • エピペンを取り出し、青い安全キャップを外す
    • オレンジの針のキャップを確認し、針が内蔵されている側を子どもの太ももの前外側にあてる。(服の上からでもよい)
  3. エピペンを注射する
    • 子どもの太ももの前外側にエピペンのオレンジの端を強く押しあてる。
    • 「カチッ」という音が聞こえるまで押し続け、そのまま10秒間保持する。
    • 10秒後にエピペンを外し、針が露出している部分を手で触れないように注意する。
  1. エピペンの片付け
    • 使用後はオレンジ色の先端が伸びている状態になっているので、携帯用のケースに戻して、医療機関に持参して処分してもらう。
  2. 救急車を呼ぶ:
    • 119番通報して、状況を説明し、救急車を要請する。
    • 何時にエピペンを使用したことを伝える。
    • 救急隊員に時系列に何が起きたかを伝えらてるように状況を把握した人が同行する。

留意点

  1. 迅速な対応:アナフィラキシーショックは急速に進行するため、症状が現れたら直ちにエピペンを使用し、救急車を呼ぶことが重要!
  2. 再発のリスク:初回のエピペン使用後も、症状が再発する可能性があるため、医療機関の指示を受けるまで観察が重要!
  3. 持ち歩きの習慣化:エピペンを常に持ち歩くことを徹底し、他のスタッフや子ども自身にも使用方法を教えておく。どこに保管するかを共有する。
  4. アレルゲンの特定と回避:アナフィラキシーを引き起こす可能性のあるアレルゲンを特定し、野外活動中にそれらを避けるための対策をしておく。
  5. 教育と訓練:子どもとスタッフに対し、アナフィラキシーとエピペンの使用方法についての定期的な教育と訓練をする。

投稿者プロフィール

児玉善子(看護師)
児玉善子(看護師)
一般社団法人看護教育支援協会 代表理事