1. 先天性心疾患

  • 心室中隔欠損症  心房中隔欠損症
  • ファロー四徴症(心室中隔欠損、大動脈の異常、右心室肥大、肺動脈狭窄)
  • 動脈管開存症  大動脈縮窄症

2. 後天性心疾患

  • 川崎病 : 主に幼児に発症し、冠動脈に炎症を引き起こす可能性のある病気。
  • リウマチ熱): 扁桃炎などの溶連菌感染後に発症し、心臓弁に損傷を与える可能性のある病気。
  • 感染性心内膜炎: 心臓内膜や弁に感染が起こる状態で、主に先天性心疾患を持つ子どもに発症しやすい。

3. 心筋疾患

  • 拡張型心筋症 : 心筋が弱まり、心臓が拡張して血液を効率よく送り出せなくなる状態。
  • 肥大型心筋症: 心筋が異常に厚くなることで、血流に障害が生じる状態。
  • 拘束型心筋症: 心筋が硬くなり、心臓が正常に拡張できなくなる状態。

4. 心律不整

  • 心房細動: 心房が異常に速く不規則に収縮する状態。
  • 心室性頻拍 : 心室が異常に速く収縮することで、血流が制限される状態。
  • 長QT症候群 : 心電図でQT間隔が延長し、不整脈や突然死のリスクが高まる状態。

5. その他

  • 心臓弁膜症 : 心臓の弁が正常に機能しない状態で、先天性や後天性の原因がある。
  • 心包炎 (Pericarditis): 心臓を覆う心膜の炎症で、感染症や他の疾患が原因となる。

治療と予後

手術や治療を受けた結果、状態が安定している場合に野外活動への参加が医師から認められる可能性があるものを以下に示します。つまり、心臓の基礎疾患を持つ子どもとして配慮していく必要があります。

1. 先天性心疾患
  • 心室中隔欠損症 治療: 多くのVSDは自然に閉じることがあり、必要な場合は手術で修復される。手術後に心機能が正常であれば、野外活動も可能。
  • 心房中隔欠損症 治療: 手術で修復されることが多い。手術後に問題がなければ、野外活動も認められることが多い。
  • 動脈管開存症 治療: 手術またはカテーテルによる閉鎖術で治療ができる。治療後、心臓機能が正常であれば、野外活動が可能。
  • 大動脈縮窄症 治療: 手術やカテーテルによる拡張術で治療。治療後の定期的なフォローアップが必要ですが、安定している場合は野外活動が認められる。
2. 後天性心疾患
  • 川崎病治療: 急性期に免疫グロブリン療法やアスピリン療法が行われ、冠動脈に異常が残らなければ、通常の野外活動が可能。
  • リウマチ熱 治療: 抗生物質や抗炎症薬による治療が行われる。心臓弁に重大な損傷がなければ、通常の野外活動が可能。
3. 心筋疾患
  • 拡張型心筋症治療: 薬物療法や場合によっては補助人工心臓、移植が行われる病気。治療後に状態が安定している場合は、医師の許可のもとで活動できる。野外活動のメニューを事前に医師に見せて相談。
4. 心律不整
  • 心房細動 治療: 薬物療法、カテーテルアブレーション、ペースメーカーなどで管理。管理が良好であれば、野外活動が認められる。
  • 長QT症候群 治療: 薬物療法や除細動器(ICD)の植え込みが行われる。治療が適切に行われている場合、医師との連携のもと野外活動は可能。野外活動の内容や時間、場所など医師に相談しておく。薬の飲み忘れに注意。
5. その他
  • 心臓弁膜症
    • 治療: 手術やカテーテルによる弁置換術または修復術が行われます。治療後の経過が良好であれば、通常の活動が可能。

共通認識が必要な情報と観察項目

配慮すべき情報
  1. 事前準備と情報共有
    • 子どもの病状、治療経過、必要な薬物や緊急時の対応方法を事前に把握しておく。
    • 活動前に保護者、キャンプナース、スタッフと詳細な情報を共有し、緊急連絡先を確認しておく。
    • 子どもの健康状態を把握している保護者や医師の指示に従い、必要な医療器具や薬を持参してもらう。
  2. 薬物管理
    • 定期的に服用する薬や緊急時に必要な薬を忘れずに持参し、適切なタイミングでの服用を確実に行う。
    • 緊急用の薬があれば常に携帯する。
  3. 活動内容と強度の調整
    • 子どもの体力や心機能に応じて、活動の強度や時間を調整する。(主治医との連携)
  4. 環境配慮:暑すぎる、寒すぎる、大雨、高低差のある遊び場には注意する。
  5. 安全対策
    • 緊急時の対応方法をスタッフ全員が理解し、応急処置の手順を確認する。
    • 緊急時に迅速に連絡が取れる手段を確保する。
観察項目
  1. 一般的な健康状態
    • 顔色、皮膚の状態(チアノーゼの有無)、呼吸の状態を定期的に確認する。
    • 疲労感、倦怠感、めまい、動悸などの症状の有無を観察する。
  2. 心拍数と呼吸
    • 心拍数や呼吸数を定期的にチェックし、異常がないか確認する。
    • 呼吸が速くなったり、不規則になったりする場合は注意が必要。
  3. 体力と持久力
    • 運動中の疲労度合いを観察し、過度に疲れている場合は休憩をとる。
    • 体力が持続しているか、異常に疲れていないかを観察する。
  4. 薬の効果と副作用
    • 定期的に服用する薬が効果を発揮しているか、副作用が出ていないかを観察する。
    • 薬の服用後に異常がないかを確認する。
  5. 精神的な状態
    • 子どもの気分や精神状態を観察し、ストレスや不安が高まっていないか確認する。緊張や不安が見られる場合はサポートを行う。
  6. 緊急時の兆候
    • 胸痛、息切れ、意識低下などの緊急症状がないかを観察する。
    • 不整脈の確認と評価
    • 脈拍の測定: 脈拍が不規則であることを確認。速い(頻脈)か遅い(徐脈)か、不規則なリズムがあるかを確認。
    • 症状の確認: 子どもにめまい、胸痛、息切れ、意識障害などの症状がないかを確認。症状がある場合は、緊急対応が必要。
    • 安静と観察:子どもを座らせるか横にさせ、楽な姿勢で安静を保たせる。
    • 観察: 子どもの状態を継続的に観察し、脈拍、呼吸、意識状態を定期的にチェックする。症状が改善しない場合や悪化する場合は、早急に医療機関へ連絡。
    • 事前の医師の指示があれば、必要な薬の投与を行う。
  7. 緊急対応
    • 救急連絡: 直ちに119に連絡し、状況を伝える。緊急車が到着するまでの間にできる限りの対応を行う。
    • 応急処置: 意識がない場合や呼吸が止まっている場合は、直ちにCPR(心肺蘇生法)を開始。
    • 医療情報の提供: 救急隊が到着した際に、子どもの医療情報(状況や状態、現在に至る経過、病歴、薬のリストなど)を提供
    • フォローアップ:子どもの経過を見守り、保護者とのコミュニケーションを図る。保護者やスタッフ、キャンプナース、主治医との連携を図り、今後の子どもの野外活動の参加方法について話し合う。
全体フォローアップ
  • 活動終了後も子どもの健康状態を継続的に観察し、異常があれば医師に相談する。
  • 子どもや保護者とコミュニケーションを取り、活動中の感想や問題点を共有し、次回以降の活動に役立てる。

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参考:慶應義塾HOME | 慶應義塾大学病院