知的障害の重症度は4段階に分けらる
知的障害の重症度は4段階に分けられます。IQ(知能指数)を1つの判断材料にしており、軽度知的障害者は、IQの基準値を100として、IQ50〜69の範囲を指します。外見は特に目立つこともなく、日常会話も特に問題はありません。言葉や抽象的な概念の理解が難しいこともありますが、生活する上で必要なことは1人ですることができて、野外活動をほかの子どもと一緒に楽しむことは十分可能です。
軽度知的障害のある子どもとともに野外活動を他の子どもと一緒に遂行するためには、以下のような配慮が必要です。
- 安全性の確保:
- 活動場所のリスクアセスメントを行い、安全対策を徹底する。
- 子どもたちの活動範囲を明確にし、安全なエリア内で活動するよう指導します。例)遊泳エリアの明確化 山歩きは先頭や最後を避けるなど
- 明確な指示とサポート:
- 簡潔で分かりやすい指示を出します。視覚的なサポート(イラストや写真)を使用することも有効。
- 必要に応じて、1対1のサポートや小グループでの活動を行う。
- 適切なペースと休憩:
- 活動のペースを調整し、疲れやすい子どもに対しては頻繁な休憩を設ける。
- 子どもの体力や集中力に合わせた活動計画を立てる。プログラムが把握できていない場合は、一緒に行動しながら説明する。とくにみんなと一緒の方法でやらなくてもいい場合は、その子どものやりたいようにやることを見守る。(臨機応変が求められる場面です。)
- 社会的なサポート:
- 他の子どもたちに対して、理解と協力ができるように見守る。「お互いに話を最後まで聞く」「乱暴な言葉を使わず、自分の考えを言う」などのグループルールを決める。互いの違いを尊重し、助け合うことの重要性を認め合えることで、「こういうことか」「これでいいのか」と子どもにもわかることができる。
- ペアやグループ活動の際には、相性の良い子ども同士を組み合わせる。
- 感情面のサポート:
- 子どもの感情の変化に注意し、不安やストレスを感じた場合には適切に対処する。不安やストレスをうまく表現できず、けんかになったり、身体不調になることがある。何か表現したいことがあるか観察する。
- リラックスできる時間をつくる。例)お昼寝、おしゃべりを楽しむなど
- 活動のカスタマイズ:
- 子どもの興味や得意分野に合わせた活動を取り入れる。
- 事前に活動内容を説明し、予測可能な環境を整える。
- 保護者との連携:
- 保護者と事前に連絡を取り、子どもの特性や必要なサポートについて情報を共有。
- 保護者からのフィードバックを受け取り、活動中のサポート方法を調整。ただし、保護者が思い込みが強かったり、子どもの可能性を過小評価している場合がある。できないと思っていることも、野外活動中にお兄さんやお姉さんの行動や言動を真似をしてできるようになることもある。中立な視点で、子どもの活動を見守っていく。保護者に報告する際は、育児方法を否定するのではなく、「野外活動では、○○を頑張ってできていました」を伝えるように心がける。
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