子どものおしっこの回数は、1~2歳ごろ2時間おきで8~12回、3~4歳ごろは3時間おきで5~9回、4歳以降は4~6時間おきで4~8回です。子どもの排尿回数は成長に伴い少なくなります。

4~5歳をすぎても一日の排尿回数が8~10回以上、もしくは排尿間隔が2時間よりも短い時は、「頻尿(ひんにょう)」を疑います。(参考:小児科臨床. Vol.72増刊号. 1208-1212. 2019.)

とくに、野外活動中の子どもの頻尿は、いくつかの原因が考えられます。

主な原因

  1. 水分摂取の増加:子どもたちは野外活動中に多くの水を飲むことがある。
  2. 環境の変化:自宅や学校とは異なる環境にいることで、心理的な影響を受けることがある。新しい場所や慣れない環境が頻尿の原因になることがある。
  3. 膀胱の感染:尿路感染症は、頻尿の原因となることがある。特にトイレの衛生管理が難しい野外活動では注意が必要。例)膀胱炎頻尿、排尿時痛、尿の混濁、残尿感、血尿、尿の色が濃い)
  4. ストレスや不安:野外活動中の新しい体験やグループ活動に対する不安や緊張が、頻尿の原因になることがある。
  5. 医療的な原因:糖尿病や他の基礎疾患が頻尿の原因となることもある。口喝や倦怠感など、全身の観察が必要。

対応方法

  1. 適切な水分補給:過剰な水分摂取を避けるために、適切な水分補給をするように伝える。
  2. 環境に慣れる時間を設ける
  3. トイレの衛生管理
    • 活動する場所でトイレの場所をオリエンテーションする。子どもたちの協力を得ながら清潔なトイレの利用を確保し、トイレットペーパーの有無を確認する。
  4. ストレスマネジメント
    • 子どもたちのストレスや不安を軽減するためのリラックス方法やリーダーのサポートする。グループ内で安心できる雰囲気作り。
  5. 医療的なサポート
    • 頻尿が続く場合や他の症状(排尿時の痛み、発熱など)が見られる場合は、キャンプナースに相談。

エピソード

小学2年生の女の子結菜ちゃん(仮名)は、お友達と一緒に楽しみにしていたゴールデンウィークの野外キャンプに参加しました。山の中の新しい環境に少し緊張していましたが、友達と一緒ならきっと大丈夫と言い聞かせているような表情をしていました。

朝早くバスで山に到着すると、結菜ちゃんはワクワクしながら自然を満喫していました。しかし、結菜ちゃんはお昼頃からトイレに行く回数が増えてきました。

キャンプナースは、結菜ちゃんの様子に気付きました。「結菜ちゃん、たくさん汗をかくから、水をしっかり飲むことはとても大切よ。でも、一度にたくさん飲むのではなく、少しずつこまめに飲むようにするといいよ。」結菜ちゃんはナースのアドバイスにうなずきながらも、「トイレ一人で行くのイヤ、誰かが行く時に一緒に行こうって思ったから、何度もトイレに行ってるだけ」といいました。「そうかぁ。一人で行くのが嫌なときは、キャンプナースに声をかけてもいいよ」というと「うん」と言って、友達の輪の中に駆け出していきました。

次の日、キャンプナースは子どもたちと一緒にトイレを確認し、「虫はいないね。みんなきれいにトイレを使ってくれてるね。ありがとう」と言いました。結菜ちゃんもだんだんとトイレに慣れてきたようでした。

結菜ちゃんは、キャンプナースのところにやってきて、耳元で小声で「おもらししたら恥ずかしいでしょ、何度もトイレに行きたくなる」と言いました。キャンプナースは「心配だったんだね」というと、結菜ちゃんも恥ずかしそうにうなづいていました。夜は「おねしょパンツ」を使用していましたが、おねしょはなかったようです。

キャンプナースは、結菜ちゃんに「おしっこが出るときに痛い?」と訊くと首を大きく横に振りました。「それはよかった」というと結菜ちゃんは怪訝そうな顔をして「なぜ、そんなこと聞くの?」と言いました。キャンプナースは少し笑いながら「おしっこに何度も行きたくなって、おしっこが出るときに痛みがあったり、おしっこをしてもまだ残っている感じがしたときは、『膀胱炎』っていう病気かもしれないな、と思ったから聞いてみたんだよ。でも、結菜ちゃんは違うみたいだね!」というと、「結菜は病気じゃないな」と確認ように尋ねました。お互いにうなづき合いました。

キャンプが終わる頃には、結菜ちゃんはトイレのこと、おもらしのことを気にすることはなくなっていました。友達と一緒に楽しい思い出をたくさん作り、自信を持つこともできたようでした。「また来たいな!」と笑顔で言っていました。


児玉善子