イマジナリーフレンド(Imaginary Friend)とは、子どもが空想の中で作り出した友達のことです。これらの友達は現実には存在しないものの、子どもにとっては非常にリアルな存在であり、日常生活の中で対話や遊びの相手となります。ジブリを思い出しますよね・・・(^^)

イマジナリーフレンドの特徴

  1. 創造された存在: イマジナリーフレンドは子どもが自分の想像力を使って作り出したキャラクターで、具体的な名前や外見、性格などが設定されている。
  2. 一貫した存在: イマジナリーフレンドは一時的なものではなく、ある期間にわたって一貫して存在し、子どもが必要とするときに現れる。
  3. 多様な役割: イマジナリーフレンドは、遊び相手や相談相手、さらには感情を表現する手段になることもある。

イマジナリーフレンドが生まれる理由

  1. 想像力の発達: 子どもの想像力や創造性が発達する過程で、イマジナリーフレンドがつくり出される。
  2. 社会的スキルの練習: 子どもはイマジナリーフレンドを通じて、対話や協力、問題解決といった社会的スキルを練習する。
  3. 感情の表現: イマジナリーフレンドは、子どもが自分の感情や考えを安全に表現する手段となります。特に不安や孤独を感じる状況で、イマジナリーフレンドが安心感をを与える。

発達心理学的な観点

  • 正常な発達過程: イマジナリーフレンドを持つことは、3歳から7歳くらいの子どもによく見られる正常な発達過程。
  • 個別差: すべての子どもがイマジナリーフレンドを持つわけではないが、持つ子どもにとっては重要な成長の一つ。

保護者や教育者、野外活動を支援する者の役割

  1. 受容と理解: 子どもがイマジナリーフレンドを持っていることを受け入れ、その存在を尊重する。
  2. 対話の見守り: 子どもがイマジナリーフレンドについて話すことを見守り、その対話を通じて子どもの感情や考えを理解する。
  3. 現実世界とのバランス: イマジナリーフレンドと遊ぶ時間と、現実の友達や活動に参加する時間のバランスを取ることをサポートする。

集団でのイマジナリーフレンドの共有

  1. 共有の状況
    • 兄弟姉妹間の共有: 家族内で、特に兄弟姉妹間でイマジナリーフレンドを共有することがある。この場合、共通の遊びやストーリーの中でイマジナリーフレンドが登場する。
    • 友人同士の共有: 同じグループの友人同士がイマジナリーフレンドを共有することもある。例えば、遊びの中で同じキャラクターを取り入れることがある。
  2. 共有の利点
    • 社会的つながりの強化: イマジナリーフレンドを共有することで、子どもたちは共通の話題や遊びを通じて社会的なつながりを強化することができる。
    • 創造力の発展: 集団で物語や遊びを作り上げる過程で、子どもたちの創造力がさらに発展する。
  3. 考慮すべき点
    • 個々のニーズの尊重: イマジナリーフレンドが集団で共有される場合でも、各子どもの個々のニーズや感情を尊重することが重要。
    • 現実と空想の区別: 子どもたちが現実と空想の区別をつける手助けをすることが大切。イマジナリーフレンドが現実の友人関係や活動に影響を与えないように注意する。

具体的なサポート方法

  1. オープンな対話: 子どもたちがイマジナリーフレンドについて話すことを奨励し、その対話を通じて子どもたちの考えや感情を理解する。
  2. 遊びの場を提供: 子どもたちが自由にイマジナリーフレンドと遊ぶことができる安全な環境を整える。
  3. バランスの取れた活動: イマジナリーフレンドとの遊びと、実際の友人や家族との活動のバランスを取ることを支援する。

イマジナリーフレンドを集団で共有することは、子どもたちにとって創造的で社会的な経験をもたらすことがあります。保護者や教育者は、これを理解し、子どもたちがバランスの取れた成長を遂げられるようにサポートすることが重要です。

参考図書:ミシェル クエヴァス (著), 杉田 七重 (翻訳)『イマジナリーフレンドと(児童単行本)』小学館,2019

投稿者プロフィール

児玉善子(看護師)
児玉善子(看護師)
一般社団法人看護教育支援協会 代表理事