予防と早期発見について

環境省は、熱中症対策の普及啓発に活用できる資料を作成しています!

経産省のホームページから抜粋して作成しています。

小さい子どもの場合

小さい子どもは、体温調節が未熟です。また、めまい、立ちくらみなどいつもと違う症状を的確に訴えることができません。

気づいたときは、座り込んでいる状態と言う場合もあります。

また、身体が不自由で車いすを使用している子どもは、特に体温調節ができず、地面の照り返しによっていっそう暑い位置に腰を掛けていることになるので配慮が必要です。

エピソード

初夏のある日、小学3年生の陸くんは、キャンプ中に少しずつ元気がなくなってきました。陸くんは元気な子どもで、いつも元気に走り回っています。ちょっと疲れたのかな?とキャンプボランティアのお兄さんは思っていました。しかし、顔が赤く、汗がたくさん出ており、「気分が悪い」とキャンプボランティアのお兄さんに言い、キャンプナースに連絡が入りました。

キャンプナースは、陸くんやキャンプボランティアのお兄さんの話を聴き、軽度から中等度の熱中症の可能性があると判断しました。キャンプナースは、お兄さんにほかの子どもたちは変化がないか観察してもらいました。「ほかの子どもたちは元気に遊んでいる」と報告を受けました。

まず、陸くんを救護室に移動させました。ここはクーラーかかっています。陸くんは「涼しい~」と言って座り込みました。また陸くんにゆっくりとスポーツドリンクを飲むように伝えました。冷たいスポーツドリンクを少量ずつ飲むことで、体内の水分バランスを回復させます。陸くんの顔や首に冷たいタオルを当てて、体温を下げる手助けをしました。陸くんは「気持ちいい」と言って、顔全体をにタオルで覆いました。

救護室が確保できている場所での熱中症のケアは、あまり急激に冷やさす、気持ちのいい程度に回復を見守ります。とくに陸くんは、お話ができるので陸くんとの発言は重要です。救護室が確保できていない場所では、風通しのいい日陰の場所で休ませ、氷などを用いて体を冷やしていきます。

陸くんに、昨晩はよく眠れたのかと訊くと「昨日は、あまり眠れなかった」と話しました。キャンプナースは救護室に毛布を敷き、しばらく横になってお昼寝をしてもいいことを伝えました。陸くんは40分ほどお昼寝をしました。目覚めたときは、すっきりした顔をしていました。「頭痛くない?」と訊くと「大丈夫!」と大きくうなずきました。再度、水分補給と塩分チャージを摂ってもらい、一緒にみんなが遊んでいる野外へと出かけました。

陸くんは自分から「みんなのところに行く!」と言い、再び元気を活動を再開することができました。

陸くんは、前夜、キャンプに参加することが楽しみすぎて眠れなかったようです。睡眠不足は熱中症のリスクを高めます。あまりにも暑い昼間は、室内の活動や午睡などを取り入れてもいいのかもしれません。

野外活動での学びを遂行できることは大事です。熱中症を予防する、早期発見する、早期に対応し可能な限り活動を再開する、再発の防止をすることを支援することはキャンプナースやキャンプナースファーストエイド(ボランティアお兄さん)の重要な役割だと思ったエピソードでした。

児玉善子

投稿者プロフィール

児玉善子(看護師)
児玉善子(看護師)
一般社団法人看護教育支援協会 代表理事